不器用なカノジョ。




「じゃあ…皆さんのご期待に添えて、自己紹介します!」

その先生の発言にまた、クラスが湧き上がる。

そして中心になって騒いでいるのが慎太郎、というのがなんともムカつく。


「新田京太です。

A組の副担で、通常はABCの数A担当してます。」


「せんせー!彼女はー?」


し、慎太郎っ!

後ろでデカイ声、出してんじゃねぇ!!


「彼女、ですか。

…うーん、どうしよう」


「どうしよう、ってことはいるんでしょ!」


慎太郎の次は純だ。

どうしてこうも俺の周りにいるヤツはうるさいんだろう。



「まあ、いいか。

いるよ、カノジョ」


チラッと健の顔を見ると、案の定、目が合った。


やっぱり、本当だったんだ。

キョンちゃんに彼女がいる、っていうのは。






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