不器用なカノジョ。
涙は飾りじゃないの






それから1週間後。

昼を食べ終えた俺はトイレに向かっていた。


すると


「あれ?先生?」


キョンちゃんを発見。



「あ、俊輔くん」


「なんで?」


「え?何が?」


「なんでここにいるの、って」


ああ、と呟く先生。



「だって、千尋が俺といると疲れる、って言ったんだろ?

だったらもう一緒に昼飯なんて食えないじゃないか」


なるほど。

ってそうじゃなくて。



「じゃあ今、ひろは1人でメシ食ってんの?」


「多分な」


おっ!

じゃあ俺にチャンス到来じゃん!



「じゃあ、先生の代わりに俺が行っちゃおっ!」


駆け出そうとした俺を


「ちょっと待ってくれ」


先生が呼び止める。



「なんだか最近、千尋、元気ないんだ。

自分じゃ聞けないから。


だから、理由聞いといてくれないか」








< 78 / 235 >

この作品をシェア

pagetop