不器用なカノジョ。





「せんせー…ベット、貸してくださーい」


ドアを開けると同時に言う。



「はーい。

…って俊輔くん?」


その声を聞いて思わず顔が歪んだ。

よりによってこのタイミングで。

しかもなんで先生が…



「今日は先生がお休みだから、

交代で暇な先生が保健室にいるんだ」


「先生…暇なんだ」


その言葉にムッとするキョンちゃん。

ちくしょう。

そんな顔も様になる。



「で、どうした?

さっきまで元気だっただろ」


「なーんか分かんないんすけど、

頭痛くて。顔色悪い、って言われて。」


無言で体温計を渡される。

それから体温計が鳴るまでの間。

なぜかずっと無言だった。







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