不器用なカノジョ。

多分…つーか、ほとんどの確率で。

こんなことを言ったら女の子から嫌われちゃいそうだけど。


でも、正直に告白する。


俺はひろのその、泣くことを必死に堪える顔を見て

『キュン』とした。



「…俊輔、お願いだから出て行って」


ひろはそう言って顔を手で覆う。

ホントに涙が零れる寸前だったんだと思う。



「なあ、ひろ。

俺から１つ、頼みがある。


それを聞いてくれたらひろの言うことも聞くよ」


ひろは何も言わなかった。

それをＯＫサインだと受け取った俺は言う。



「ひろ、俺の前だけでは強がらないで。

例え、ひろがどんなに泣いたって、俺はひろはひろだ、って言うし、ひろのそばを絶対に離れたりしない。


絶対、なんて気安く使いたくないけど。

でも絶対、だ。


だから俺の前で我慢しないで。

どんなひろも俺は受け止めるよ」


俺の言葉が終わるか終わらないかのうちにひろは俯いた。

そして図書室の床にポタッポタッと雫が落ちる。


それが

初めて見る


ひろの涙だった…