紅い涙
ー放課後:旧校舎廊下


時間とは酷なもので、来てほしくない時に限ってすぐに来たりする。
今の私が、良い例だ。

廊下は朝来た時よりも暗さを増し、不気味さを保っている。


「まだ、か…」


佳代はまだ来ておらず、私の独り言だけが廊下に響く。
私は汚れた壁にもたれ掛かり、佳代を待った。


あの女っ…!!
私の大事な星歌をよくも!!!

許さない許さない許さない許さない許さない許さない………………。


「あの女っ…殺してやる!」


私の両手で、絞め殺してやるっ!


その時…。


コツッ…。


「ー!?」


振り向くと、そこには…。


「う゛ぁっ!?」


銀色に光るナイフを片手に持つ、佳代が居た。
佳代は私と目が合うと、ニヤリと怪しい笑みを浮かべ、こっちに向かって走ってきた。


ーやばい!!!
私が先に殺される。
コロサレルー。


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