紅い涙
“星歌の急死”
“消えた右腕”
“事件を起こした化け物”

ードウシテセイカガシンダノ?
ーセイカノミギウデハドコ?
ーセイカヲコロシタノハ…ダレ?


頭の中が満タンで、爆発しそうになる。
心臓が…全身の血液が、ドクンッドクンと、激しく脈打っているのがよく分かる。
今、目の前で彼女が話した事が現実なのか、あやふやになってきた。


今日は、葬式だというのに…。
親友の、大事な最後の別れをする日だというのに…!


「うっ…ぁ……」


声にもならない叫びが、喉を通過し、空気を微かに奮えさせる。
周りの人達が私に浴びせる冷たい視線も、今は全く気にならない。
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