紅い涙
私は、とんでもない事件の始まりを聞いてしまったのかもしれない。
もしも、この事を聞かずにいたら…。
今日、佳代に逢わなければ…。

私は、何も知らずに、ただ悲しみに埋もれて星歌を見送る事が出来た?

ごめんね、星歌…。
私、悲しみよりも今、怖くてたまらない…。


その時、ふと彼女のある言葉を思い出した。


“この事件、まだまだ続くわよ…”


…続く?


「…続くって……」


何が?
殺人事件が?
まさか、この事件…“連続殺人事件”となるというの?

分からない…。
分からない…。
分からない…。


「分から…な、い……」


何が起こっているのか、分からない…。





結局、その日はろくに寝る事が出来ず、眠たい目を擦りながら翌日、学校へと足を運んだ。

教室へ入ると、おとついまで挨拶を交わしていた友達が、もう居ない事を実感させられる。
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