月姫物語
その言葉に、背筋を伸ばす。












「ま、待った待った!!母上様は、待って。」










母上様が出てきたら、何もいえない。逆らえない。











「仕方ございませぬ。月姫様が、出られないのなれば桜ノ宮様に一言ご報告申し上げるのが、私の務めでございますゆえ。」












げげっ。











母上様なら、絶対どんな状態であっても、連れ出す。












「何を騒がしゅうしておるのです?月子。」












鈴の鳴るような声であったとしても!!










わたくしには、鬼の声。











冷や汗が、タラリとたれた。
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