月姫物語
部屋の前に、ゆっくりその姿を現す。











女官がいない。











(また、気まぐれに徘徊していたのね・・・)











運が悪かった。












「桜ノ宮様。」











そう言って、ひれ伏す。










「重シゲ、月子が何か?」











その顔は、たおやかな母の面持ち。
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