月姫物語
「わたくしに・・・何の用なのです。」











努めて冷静な声で言った。










「おまえの命を頂戴してくるよう、あるお方から頼まれたのだ。」














「わたくしを・・・誰かご存知で?」











「知らぬが・・・巽の方角に現れた若き姫を殺せ、との命。」











じりじりと輪が小さくなる。











男たちはニヤリと笑う。











なんて気味の悪い集団。










人を殺すことが趣味で・・・金でも掴まされたんだろう。
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