月姫物語
ふぅ、と一つ息を漏らすと、胸元から扇を取り出した。












美しい四季をあらわす扇。












それを広げ、口元を覆う。










「我は、天風。どなたからでもよい、かかってこい。」











挑発すると、すぐに一人の男が刀を振り上げ襲い掛かってきた。











その刀の切っ先を扇で受けると、ひらりと宙へ舞い、その頭へ蹴りをきめる。












その男は呆気なく倒れ、動く気配を見せない。










刀を鞘に納め、全員へ笑顔を向ける。










「さぁ、次はどなたかしら?」









< 29 / 60 >

この作品をシェア

pagetop