月姫物語
(なんで勝手に愛称なんてつけるかなぁ・・・)











女官について行きながら、内心悪態をつく。










(この時期に花見程度で呼ぶ?帝の側室だからって・・・)









この性格。









聡明さも持ち合わせる月姫は、詭弁 キベン を操る達人。










年十五の幼い姫ながらも、その口に敵うものはそうはいなかったとか。











「月姫様、帝のお通りです。」








女官の言葉に、はっとし、すぐに床にひれ伏した。









静かな足音が、丁度月姫の前で止まった。
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