月姫物語
「先ほども言った通り、貴方には月よりも日の方がお似合いですよ、陽。」













そう言って、さっさと先を歩き始める。










な、なんてやつ!!










こんな奴と、契りを交わしてしまった。












「陽、行きますよ。紀邸まで私がお送りしましょう。」











「結構ですわ。夜。わたくし一人の方が早いもの。」












嫌味を込めてそう言うと、木の上に飛び上がり、屋根づたいに屋敷まで走った。











夜なんてどうでもいい。













とにかく、母上さまとお話ししないと。
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