月姫物語
ふっと溜息を漏らした。












「運命など知らぬのぉ。」











父上はそうつぶやいた。











「え・・・?」












「運命など知らぬ。そなたが背きたければ背くが良い。わしは、運命など聞いておらぬ。月子がどうしたいのか、それを聞いておるのじゃ。」














珍しく真剣な面持ちの父上を見た。











「わたくしは、この京が大好きでございます。」
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