月姫物語
!!









「夜様?」











「いま、あちらの庭の向かいにいた者は?」










案内をする侍女に問う。










すると、すの姿を認めた侍女はすっと微笑した。









「夜様のような、御美しい御方でも目を留められるのですね。」










は?









「あの方は、紀家の姫様であられる月子様です。あの御美しい御姿から、皆、かぐや姫になぞらえて、『月姫』と呼ばれていらっしゃるのですよ。」















「へぇ。」
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