仮面の君
るんるん気分で教室に行くとなんだか騒がしい。
「ん?」
莉恵ちゃんに聞こうと思い教室に入った。
「莉恵ちゃーん、なんか騒が……?」
「!お、唯ーお前どこほっつき歩いてんだ」
あたしは夢でも見ているのだろうか。
いや、寝た覚えはない。
幻覚?
いや、声まで聞こえる。
なんて厄介なんだ。
「おーいっ、唯。帰ってこい」
「ああ、うん。大丈夫、なんでこんなところに居るのさ」
「訳あって早めに帰れたんだ。家に弁当あるし?可哀相だと思って来たんだが」
有り得ない。
常に自分が得すれことしかやらない兄が人のために何かするって。