私を愛して
 「え、キャッ!…ちょっと!パンプ…」

ラヴが結婚?


嘘だ…

でも写真に写っているのは…

 「ああそうなんだよ。これ極秘なんだけど、知り合って熱烈な恋に落ちたなんて真っ赤な嘘だよ」

俺たちはジャンのアパートにいた

こういうのは一番知ってる奴に聞く。
でも…

 「財政危機の国を救うための政略結婚なんだってよ。プリンセスは一週間前、二日間の謎の失踪をしたんだが…きっと結婚を嫌がってるんだな。ほら、プリンセスのカラー写真」

一週間前…

~遊園地に行きたいわ…!じぇっとこーすたーに乗りたい!~

~レディ・ラヴと呼んでちょうだい~

~ワルツですわ。ワルツは相手がいないと踊れません~

~歌?!歌なら私歌えますわ!~

~あなたはお金持ち?~

~パンプ…~

~もちろん~





~パンプ!~


震える手で写真を受け取る。



…ラヴ!

もう一度君の歌声を
もう一度君の声を






 「ジャン!教会はどこだ?!」

 「え?」

 「どこの教会でプリンセスは式をあげる?」

 「あっ…ああ。大通り横のあの~…」

 「わかった!」



俺は走りだした。
彼女は俺だけのだ。

誰にも触らせたくないもの


だれが金持ちにやるか

誰がロシアフィーなんかにやるか。



彼女をもらいにいく!











――――



 

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