私を愛して


ああ

あなたの口







歌声





彼を離したくない
離れたくない





大好きなのー・・・



何もかも捨ててもいいくらい彼を愛してしまったのー・・・

やっぱり、無理よ。彼とはなれて、結婚だなんて。

 「レディ・ラヴ・・・」


彼は私をよりきつく抱きしめる


大好き

大好きよ


もっと抱きしめて
壊れるくらい抱きしめて
私の名前をもっと呼んで
私にキスして
私を愛して


 「パンプ…!」

 「ラヴ…国も名誉も何もかも捨ててくれ」


彼は私を引き離す


彼の目にはいっぱい涙が溜まっていた。



 
 「何もかも捨ててくれ。政略結婚なんてしないでくれ」

 「…国では…パパがね。17歳の誕生日パーティーを開いてくれたの」

 「っ…」

 「そしてね。国民は皆私をレディ・ラヴと呼ぶの」

皆私を信頼してくれたー・・・



 「ラヴ!お願いだ…っ」

 「パパたちを捨てられないわ。みんな私の家族…」

私はパンプの手を離した。
…いくら、彼を愛してても。


たとえ、愛されても、一緒にいられない。
 きっとそれが私たちの運命。

夢は、夢でしかない。
気持ちは、伝えられない。

 「…今さっき新聞で見た。お前の父親がお亡くなりになられたようだ」

 「…え」


パパが…死んだ?

あの優しいパパが・・・

 「国民もほとんど皆、他の国に亡命したって。王国は終わりなんだよ」

国民がー…


 天国のパパ


私は私なりの幸せを掴んでもいいですか。


彼と結婚していいですか。


必ず、あなたのお墓にいきます。

 「・・・パパの死に顔を見れなくて残念だわー…」

 「ラヴ!」


私はパンプの胸に抱きついた。











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