殺し屋

「で、お前は何でこんなことしたんだよ」


「俺、友達いないだろ?お前以外に」

「いや、俺、友達になった覚えねーから」


「ひどくないかっ!?
少しは気を遣えっ!!」

「冗談だよ。で、続けて」


「だから、お前とただ遊びたかっただけなんだ…」


「だからって、人を…」

「いや、依頼なんて受けてない。あれはデマなんだ
だから、最初っから、誰も殺す気なんてなかった」


「その割には俺の背中切りつけたじゃん」


「あれは、『そういや、こいつと喧嘩したことなかったっけ!?
面白そうなんで、やってみよっ。グフっ』ていう、ほんの軽い気持ちだったんだ。」


「そうか…なんか最後の笑い声は気になるが、許してやる」

「ありがとう」

「友達の罪を許す。それが本来あるべき姿なんじゃねーか」

「伊丹…」


イメージ的に、ここで周りがほんわかな空気で包まれる


「どーでもいいから、早く帰りましょうよ
何が本来あるべき姿だよ。クサイこと言うなよ。大根役者どもが」

「うん…言い過ぎだからね。傷ついちゃうから」



場面は変わり。


「で、おまえこれからどうするんだよ」

「これからは旅にでる」

「自分探しの旅ですか?流行りに乗っかりたい系ですか?」


「だから空気を読め!!じゃあな。寛士」

「ああ。」


そう言って、寛士の後ろ姿を見送った


「しっかし、めんどい奴でしたね
何で旅に出るんですか?ありきたりな」


「あいつの考えてることは昔からわからなかったからな」


< 53 / 86 >

この作品をシェア

pagetop