殺し屋


「一人前になることがおまえの夢なのか?」


「うん。そして伊丹に恩返しをする」


「だったら…俺を殺していい」


「え?」

弟子の動きが止まった


「おまえの夢が叶うためなら、俺は死んでもいい」


「キモい」


「いや、はっきり言うなよ!!こっちは頑張って言ってんだから」


「キモいのはキモいから仕方ないです
つか、そういうムードが嫌いって、無人島のとき言いませんでした?」


「うるせーな!!告白するときはみんなこうなるんだよ」


「知らんがな」


「俺はおまえが好きなんだよ!!」


「あ、そう?ありがとう」


「うわ。やっぱムカつくわ。こいつ
死ねばいいのに」


「うちだって、あんたを殺したくなんてありません!!」


「こいつ、急に軌道修正し始めたし!」


「でも…殺さなかったら、一人前にならないし…。だから…
うちもあなが…」


長い沈黙が流れた

弟子は言葉の続きを言わず、ぽんこつ太郎に近づいた


「佐々木蔵次郎」

佐々木蔵次郎というのはぽんこつ太郎の本名ね


「…何?」


「うちも…私もあんたが…」


佐々木蔵次郎は唾を飲み込む


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