アナタだけのお姫様
「ひなぁ……ドキドキするね?」
「ん……でも、ひよは俺が守るから! 大丈夫だよ」
あたし達は、小学校五年生の時に、ある街に越してきた。
新しい友達が出来るんだって思うと、不安と喜びが入り混じった気持ちだった。
「一緒のクラスかなぁ?」
ひなの手を握ってると、やっぱり落ち着く……。
「お手伝いさんが言ってたけどね、同じクラスだって」
「ほんと!? 良かったぁ」
長い長い廊下を一生懸命歩いていくと、‘職員室’と書かれた札が、あるドアのところでぶらさがっていた。