アナタだけのお姫様

「とりあえず教室行こうよ」


 ひなの意見に、陽子ちゃんは首を振っている。


「わたし先に行くからいいよ!」


 クラスの中で足がダントツで速いらしい陽子ちゃんは、あっという間に昇降口へ掛けていってしまった。


「……あたしが悪いの?」


「あっ、違うよ。俺が一緒に行こうって言わなければ良かっただけの事」


「……」


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