アナタだけのお姫様

 ――なんとかその場を切り抜ける事が出来たけど、その日は一日中憂鬱だった。

 
 今までと態度が違う皆が怖かったし、前の学校の事を何度も思い出した。



 その度にひなは慰めてくれたけど……もう、学校なんか行きたくなかった。


 ……それに……皆、ひなに対しては普通なのに、あたしに対してだけ、ちょっと違うんだ。



「ひよ! いい加減起きないと遅刻しちゃうよ?」


「だって……」


 その翌日、あたしは布団から出るのを頑なに拒んだ。


 ひなは一生懸命誘ってくれるけど……。


< 123 / 525 >

この作品をシェア

pagetop