アナタだけのお姫様
――なんとかその場を切り抜ける事が出来たけど、その日は一日中憂鬱だった。
今までと態度が違う皆が怖かったし、前の学校の事を何度も思い出した。
その度にひなは慰めてくれたけど……もう、学校なんか行きたくなかった。
……それに……皆、ひなに対しては普通なのに、あたしに対してだけ、ちょっと違うんだ。
「ひよ! いい加減起きないと遅刻しちゃうよ?」
「だって……」
その翌日、あたしは布団から出るのを頑なに拒んだ。
ひなは一生懸命誘ってくれるけど……。