アナタだけのお姫様


 必死にしがみ付いたけど、男の子の力になんて勝てるわけない。



 床に投げ倒され、ヘアゴムを窓から投げ捨てられてしまった。


「っ、ひっく……うっ……」


 もう、こらえ切れなかった。


 目に溜まった涙は、滝のように一気に流れ落ちる。


 
「おい!!」


 騒ぎを一喝するかの様な怒鳴り声に、一瞬で皆静かになってしまった。



 そこに居るイジメっ子だけじゃなく、あたしまで体がビクっとなった。


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