アナタだけのお姫様


「あ……日向……君」


 ――ひな?


 ひなが来てくれたの?


「ひよ!!」


 ……王子様が来てくれたんだ……。



 ひなはポッケからタオルを出し、あたしの涙を一生懸命拭いてくれる。


「っ…っく。ひ、ひなっ……」


「ごめんね? 守るって言ってて、遅くなっちゃった」


 うまく声が出ないので、ゆっくりだが首を振る。


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