アナタだけのお姫様


「髪の毛……痛かったでしょ。後で母さんのゴム、探しに行こうね」



「っ、う、うん……っ」


 ひなはあたしの頭を優しく撫で、タオルを持たせてくれた。


「これで涙拭いてね」


 そう言って立ち上がり、皆の方を向く。


「ねぇ、ひよにこういう事したの、誰?」




 答えるわけ無いよね。


 でも、皆がイジメたって事はひなにも分かるはず。


 気まずそうに、下を向いているんだもん。


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