アナタだけのお姫様

「答えないの? ねぇ、ひよのゴム奪ったの、誰?」



「……あ、あきらくん」


 誰かがボソッと告げ口をした――その瞬間、物凄い音と共にリーダー格の男の子が床に倒れ込んだ。


「きゃぁぁぁぁっ!!」


「うわぁぁ!」


 何が起きたのか、すぐに理解は出来なかった。



 でも、でも……ひなが男の子に馬乗りになって、何度も何度も殴っていたのだけは見えた。

 こういう時って、どうして変に冷静になれるんだろう?


 ひなを止める事無く、ただ、じっと見ていた。


< 132 / 525 >

この作品をシェア

pagetop