アナタだけのお姫様
「うぅ……もう家出なくちゃ……」
名残しい気持ちを振り切って、トイレにさよならを告げる……。
とかちょっとキモいけどでもそんな気持ちなんだよね。
――トイレから出て手を洗っている時、ポケットの中で携帯が震え出した。
「あ……」
案の定、侑也からのメールだった。
『時間あったし迎えに来たわ』
えっ?
なんでそんな自分勝手なんだ、お前。
そもそもなんでウチを……って思ったけど立食パーティーとかで何回も来てるから当たり前か。