アナタだけのお姫様

「うぅ……もう家出なくちゃ……」


 名残しい気持ちを振り切って、トイレにさよならを告げる……。


 とかちょっとキモいけどでもそんな気持ちなんだよね。


 ――トイレから出て手を洗っている時、ポケットの中で携帯が震え出した。


「あ……」


 案の定、侑也からのメールだった。


『時間あったし迎えに来たわ』



 えっ?


 なんでそんな自分勝手なんだ、お前。


 そもそもなんでウチを……って思ったけど立食パーティーとかで何回も来てるから当たり前か。


< 147 / 525 >

この作品をシェア

pagetop