アナタだけのお姫様
「侑也、行こ」
「え? もういいの?」
侑也だけじゃなくて周りの奴らも驚いてるけど……別に見なくていいよ。
こういう視線って本当にイヤだ。
「今日の日和は怒りんぼうだね。ちゃんと気をつけて帰るんだよ?」
「分かってるし」
侑也と少し話した後、家まで送ってもらった。
部屋に一人で居るとさっきの女の事を考えちゃうから、ホールでピアノを弾いたりして紛らわしてた。
ひなが帰宅したらやっぱりなんか甘えたくなって……
いっぱい頭撫でてもらって、抱きしめてもらって、たくさんキスしてもらって……
それでもやっぱりモヤモヤは取れなかった。