アナタだけのお姫様

「だから男は私服で女はメイド服なのね……って事は侑也は執事ってかバトラー?」


「久保君はただの執事じゃないよ。本格的なメニューなのも彼の指示だしね」


「んじゃ、なんなの?」


「久保君が料理を運んでくれるはずだから、その時のお楽しみ!」


 ――またかよ。


「それにしても繁盛してるね。俺の店とは大違いかも」


「ひなも似たようなお店?」


「ううん。俺たちのところは普通のお店」


「お待たせ……致しました」



 顔を上げると、そこには燕尾服を着た侑也が、紅茶とデザートを乗せたトレイを持っている。


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