アナタだけのお姫様
「さ、時間を有効に使おうね」
堂々と手を繋げないなんて……どうして兄妹なの?
他の誰よりも近くに居るのに、超えられない壁があるなんて……。
「ほら、日和着いたよ」
考え事をしていたら、とっくに着いていたらしい。
――って、ここかよ!?
「ふふっ。驚いた?」
「当たり前だろ!」
さっきの侑也のお店とは全く別物。
なんてったって、普通の焼きそば屋なんだもん。
室内もそんなに広くはないし、人もあんまり……まぁガラガラに空いてるわけではないけどさ。