アナタだけのお姫様
「あたし西塚ゆめです! よろしくねっ」
ゆめ?
少女マンガの主人公かよ。
「はい」
そもそも、ひなって呼んでいいのはあたしと理沙だけなのに……
どうしてひなは許してるの?
「ごめんね、日和は人見知りさんだからさ。俺も時間になったらちゃんと戻るね」
「あっ――ごめんお邪魔しちゃって! どうぞごゆっくり」
ぺこりと頭を下げ、去っていくその姿を見つめていると、ひなが口を開いた。
「あんまり気にしないでね。ほら、冷めちゃうから焼きそば食べよう?」