アナタだけのお姫様
「でも日和の着たい物を着るのが一番だよね」
そう言ったひなが選んでくれたのは、こげ茶色のスカートだった。
いつ買ったんだっけ……?
「だけど……久しぶりにこういう色も着てみたら?」
茶色とか、紫とかそういう色の服は、なんとなく買うんだけど一回も着ないで終わるんだよね。
そういう物の多くは理沙にあげたり、リサイクルショップに売りに行ったり。
別にお金が欲しいわけじゃないけど捨てるよりかマシだし、欲しいって言われたら理沙にあげるし。
もったいなくはないでしょ?
「……じゃあ今日はこれにする」
「うん、可愛いよ」