アナタだけのお姫様

「せっかくのデートだから、ひなの行きたい所でいいのに」


「俺は日和が楽しんでくれればそれで満足なの」


 ピンク色の手袋をいじりながら考えてみるけど……浮かばない。


 だってあたしはひなと居れればいいんだもん。


「ほら、手袋はめて」


「んー、じゃあ洋服買いに行こうよ」


 言われたとおりにきちんとはめてから答える。


「うん、いいよ。駅まで車出してもらおうか」


「めんどくさいしタクシーで行きたい!」


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