アナタだけのお姫様
「悪いけど一人しか乗れません! っつーかお前んちすぐそこだろ」
確かに理沙の家はこの駅から数分歩いたところにある場所だった。
でも……なんか物凄い申し訳ない気がするんですが!
「あたし待ってるから先に理沙送ってあげれば?」
その言葉に渋々だが頷いた侑也は、バイクの後ろに理沙を乗せて走り去っていった。
その間に携帯をいじろうと見てみたけど、画面真っ暗。
「……は?」
電源ボタンを押しても入らない……。
そう言えばひなにメール送った時には既に電池残量が二つしか無かったけど、そんなにすぐ切れるのか。