アナタだけのお姫様

 置かれたケーキを見たとき、思わずため息をついてしまった。


 呆れた時に出るため息じゃなくて……なんかこう、素敵なため息。


 ――希望の場所という名のケーキは、お菓子の家だった。



 この窓とか池はきっと飴だよね。


 キラキラ輝いててすっごくキレイ……。


「可愛い……」


 男の子と女の子が一人ずつ、家の扉の前で仲良く手を繋いでいた。


 こっちがひなで、こっちがあたし。


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