アナタだけのお姫様

「久保家の跡取り息子のところに嫁入りしてもらうだけだ」


 ちょぉぉぉぉぉ!?


 勝手に決めた相手が侑也って……いや、ちょっと安心したけどヤダ!!


「これも決定事項だからな。では――散っ!」


 散って、忍者じゃないんだから!!

 
 でもクソ親父がこういう風に言う時って、これ以上の質疑応答は受け付けないって事。


 部屋に駆け上がり、ベッドにもぐりこむ。


「全部夢!!」


 ひなが離れていっちゃうのも、婚約者が侑也ってのも、全部夢。


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