アナタだけのお姫様
――どうしてあたしに権限は無いの?
二階堂家のお嬢様だからって、あたしだってそこらへんにいる普通の女の子なのに。
ピアノだってヴァイオリンだって茶道だって正直やりたくなかった。
やらされてたけど……ひながやってたからやった。
「ひな……なんで黙ってたの?」
ゆっくり部屋に入ってきたひなに問いかける。
「正式に決定したってのを、さっき初めて聞いたんだよ。正式に決まるまで言いたくなかったんだ」
「あっそ」