アナタだけのお姫様

 そうだった……元々うちと久保家は知り合いなんだよな。


 挨拶しても当たり前か。

 
 とりあえず全身鏡でチェック!


 ――おし、今日も素晴らしいくらい美しい。



 しばらくして、来客を知らせる澄んだ鐘の音が家中で鳴り響いた。


 これもクソ親父の趣味なんて信じられない。


「――って誰が家中に知らせろと言った!?」


 慌てて門の前まで走って行こうと思ったけど、ちょうどすれ違ったクソ親父に一喝された。


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