アナタだけのお姫様

 扉を開け、一礼をしたそいつは、紛れも無く侑也だった。


 いつものラフな格好とは違い、スーツなんか着ちゃって笑える。


「そんな見たら気まずいって」


 後ろ手でゆっくりと戸をしめながらはにかんでいる彼がまた魅力的だったり。



 なんだろう?


 八重歯のせいだよね確実に。


「つーかなにゆえスーツ!?」


「挨拶って普通はスーツだろ。しかも家に上がるのに普段の格好はマズいでしょ?」


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