アナタだけのお姫様
「そうか……じゃなくてなんでわざわざ家に!?」
「だから個人的な挨拶も兼ねて、って電話で言ったでしょ?」
「そうだけど……」
「縦社会って大変なんだよ、知ってる?」
「久保はデカイ企業なのに?」
呆れた顔をした侑也が、どかっとソファーに座り込む。
――ずいぶんなくつろぎようだな、おい。
「それは俺の会社じゃなくて親父のだからさー。まだ俺は二階堂家よりもずーっと下っ端だよ」
「……なるほど」
「っで? 何か話あったんでしょ?」