アナタだけのお姫様
「ねぇ、知ってた? うちら婚約者なんだって」
「あ……今更?」
「知ってたなら、なんで教えてくれないんだよ!?」
「えっ、だって知ってるって思ったし……」
確かに侑也が隠すわけないし、隠したところでメリットなんてないよね。
「親同士が勝手に決めた結婚ってありえないって!!」
「まぁ……ひよこがイヤなら俺はしなくていいと思うよ」
ミルクティーをすすりながら、サラリと言ってのける。
「なぬ?」
「だってイヤなんでしょ?」