アナタだけのお姫様

「あれは中学校三年生の、修学旅行の時でした……」


「いやいや、普通に話してくれよ」


 ふてくされながらミルクティーを一気に飲み干し、カップにまた注ぐ。


 なんで山下さんの作るものは全てうまいのか?


「すっごい整った顔の可愛い女の子に一目ぼれしたんだよね」


「ふーん?」


 あたし以上に可愛い子とかありえんだろ。


「その子は違う中学で、俺も違う中学。本当にたまたま修学旅行先が同じだったんだよな」


「ふーん」


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