アナタだけのお姫様

「ってか、今日って――」


「いいの!」


 侑也が何を言いたいかなんて、分かってる。


「本当にいいわけ?」


 すうっと息を吸い込み、こくりと頷く。



 全てを受け止め、新しく踏み出さなくちゃいけないんだって、決心したんだよ。

 それに……


「いつもワガママ言って困らせてたけど……これは最後のワガママなの」


 空を見上げると、凄くキレイで、冷たくも優しい風に背中を押されている感じがする。


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