アナタだけのお姫様

「でもね、花を一輪だけ贈ったんだ」


「住所聞いたの?」


「ううん。お手伝いさんも一緒に行ってるから、その人に頼んだの」


 きっと今頃受け取ってるはず。


「ま、俺はこれからバイトだし……何かあったら連絡して」



「おっけー」


 軽い足取りで家路へ向かうと、山下さんが出迎えてくれた。


「日和さん、お外へ出ていらしたのですね」


「ん? そうそう。お散歩」


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