アナタだけのお姫様

「さ、乗って」


 自転車の後ろに日和を乗せて走り出す。


 ぎゅっとしがみついてくるこの感じは昔から変わらない。

 

 ――そう、今も昔も……これからも変わらないで欲しい。


 桜並木を見ながら、日和を想いながら、そう思っていた。


「今日は迎えに来られないからね? 帰り道気をつけるんだよ」


「了解ッス」


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