アナタだけのお姫様


「あたし花好きじゃないもん。それよりピアノにしようよー」


 ふてくされながら呟く日和……


 寒いから外に出たくないんだよね?


 でも俺は、日和と庭で日差しを浴びるのも悪くないって思うんだけどね。



「上手になったの?」


 なんとも言えない表情で首を振る日和が、少し可哀想で……



 今の質問はちょっと意地悪すぎたかな?


 ――歯磨きしたらホールへ来る事を伝え、俺は食器を片付ける。


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