アナタだけのお姫様


「上手になったの?」


「いや、それは……」


 痛いトコついてくるね?


「じゃあお稽古ね。食べ終わって歯磨きしたらホールにおいで」


 ひなは食べ終わった食器を片付けると、リビングを後にした。


 ――稽古になるぐらいならピアノなんて言うんじゃなかった。


 せっかくの美味しいご飯が、なんだか微妙に感じられてしまった。


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