アナタだけのお姫様

「行ってらっしゃいませ」


「うん」


 バイクにまたがり、大学へと急ぐ。


 焦っているわけじゃないんだけど、今日はバイトも無い。


 つまり日和を迎えに行けるって思ったら、なんだか心が急いていたんだ。


 だからいつもより凄く集中出来たし、うっとうしい女の質疑応答にも愛想よく答えられた。


「あ、メール」


 携帯が震えたので、確認すると久保君からだった。

< 364 / 525 >

この作品をシェア

pagetop