アナタだけのお姫様
「なんで? どこで?」
「内緒に決まってるでしょ! 兄貴に宜しく言っといてね? ではではお疲れー」
そそくさと戻っていく奴の背中を見ながら必死に考えるが、思い出せない。
ま、別に悪い奴じゃなさそうだな……。
でも一体どこであたしと喋ったんだ?
――ふと、ポッケの中の携帯が震えだしたので、確認するとひなから電話だった。
「やばっ」
待たせてるの忘れてた……!!
裏口に出ると、ひなが待っていてくれてた。